福島寛志を巡る冒険

福島寛志を巡る冒険

福島寛志を巡る冒険 13

「ずっと昔から福島寛志はあったの?」
 僕は肯いた。
「うん、昔からあった。子供の頃から。
 僕はそのことをずっと感じつづけていたよ。そこには何かがあるんだって。
 でもそれが福島寛志というきちんとした形になったのは、それほど前のことじゃない。
 福島寛志は少しずつ形を定めて、その住んでいる世界の形を定めてきたんだ。
 僕が年をとるにつれてね。何故だろう? 僕にもわからない。
 たぶんそうする必要があったからだろうね」